「藤吉 裕和の山の中から子ども達に向けて」


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「おっちゃん」と「山の中」をキーワードに、昆虫の家の紹介から設立のいきさつ、現在の活動をご紹介します。

作者紹介
藤吉 裕和
1973年4月26日、北海道常呂町産。地元の高校卒業後、家業の農業を後継しながら通信情報系フリーライターをする。その後、離農し網走のOA機器修理職を経て現在建設会社勤務。常呂町在住。

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■第26話

 しばらくぶりのご無沙汰でした。次回は、いきいきの事を何回か書きたい−−なんて書いておきながら、ふと気づけば11月も半ば。いや、決して呆けていた訳ではなくって、色々と雑務に追われていたのでした。そして、夏から一変して真っ白な物体が家の周りを取り囲んでいます。さすがにまだ根雪にはならないのでしょうが、白くなったり溶けて黒くなったりを繰り返し、いつの間にか白く彩られていく季節の移り変わりを実感する事でしょう。

 今回は、いきいきの事ではありません。大きなニュースがありますのでそちらをご報告させて頂きます。「平成16年度手作り郷土(ふるさと)賞」の「地域活動部門」に認定され、国土交通大臣表彰となります。札幌の開発局で表彰を受けて参ります。多くの会員の皆さんや、施設維持活動や事業に協力してくださっている方々のお陰での受賞です。本当に、ありがとうございます。

協力員のボランティアで昆虫の家は成り立っている

 今からさかのぼる事まだ初夏の頃。いきいきの準備で忙しい日々を送っていた時でした。忠津理事から連絡が来て、パンフレットと用紙を渡されました。「これに記入して、表彰を受けてこい」と。なんでも、常呂町役場内で回っていたパンフレットをもらってきたという事でした。なんだかんだ言っても、常呂町役場さんでは「昆虫の家」を何かに推薦ということはあまり考えていない様で、黙っていてもいろいろな認定をしてくれる訳ではないのです。それだけ、活動自体が認められていないという事なんだとは思いますが・・・。
その申請書を手にしてから、いきいきの準備と平行しての申請書作成の業務が加わりました。ダメでもともとではなくって、「表彰を受けてこい」という号令ですから、力を入れて申請書と向き合っていました。申請書を作るにあたり、苦労は・・というと、実はそんなんでもなかったのです。実際に、遠藤さんや伊藤さんをはじめとする、土日の休みを利用して施設維持や行事の手伝いをしてくださっている方々、農家が忙しい時でも何かの時には機械や車両を出してくださったりする川上理事長をはじめとする日吉地区の農家の方々。何日も壁画を修正しに来てくださっている北見市の荒田さん、ホタルやカワニナの様子を見に来たり指導をしてくださる北見市の川窪さん。標本の手入れに札幌から駆けつけてくれる千葉さん、んんんん、書き始めるときりがないぐらいです。名前がでていない人も、たくさん、たくさん手伝ってくれています。こんな様子を、そのまま申請書に文字にするだけでいいのですから、こんな楽な作業はありません。何もないところから、さもあった様に作る事はたいへん労力のいる作業です。でも、実際に申請書に書かれた以上にやっている皆さんの様子を文章化するのはたやすいものです。逆に、活動の全てを文章化できない私の能力の低さが恥ずかしくなるぐらいです。
申請書はできた。そして活動の写真を貼付するのも、昆虫の家は色々な活動の時に誰かかれかが写真を撮っていたりビデオを撮影していたりします。活動の記録を必ず残しているのです。この膨大な写真の中から「いいなぁ」と思える写真を選びました。
あとは、活動の様子を3分程度にまとめたビデオまたはパワーポイントというソフトで作った紹介を提出しなければならないという事でした。こちらも、いきいきなどのオープニングやエンディングづくりを担当している私には、そんなに困難な作業ではありませんでした(内容は別にして・・・)。このビデオも、後に色々とあって、作り直しを余儀なくされるのでした。
とにかく、通常は行政機関が作成して提出する書類ですから、いざできた申請書群をどのようにどこに送ればいいのか、さっぱり把握できていなかったのです。道の網走支庁に送付したところ、こちらではないと言われ、指示されるままあちらこちらに申請書を送りました。この時点で、「推薦者のない申請書は果たして選考のテーブルに乗るのだろうか?」という疑問もありました。

北見市の北海学園大学の韓国人留学生さん達も活動に協力してくださっている

申請書を出し終え、そのことを忘れさせるかの様な暑い暑い、いきいきオホーツク自然体験村が始まり、いきいきの事後処理に追われているうちに、どうやら選ばれたという話を聞きました。そして、プレス発表前に決定の通知を頂き、認定を受けたという事実を知りました。北海道開発局のホームページに記載されている選考結果に、昆虫の家は「自薦」と書かれています。推薦者がいなくとも、活動について認めて頂いたと言うのは、私は申請書を作っただけですが、本当にうれしいものです。でも、実際に体を使って、自分の時間を使って活動している協力員の方々は、もっと嬉しいのかなって思います。

 でも、本当は、受賞だの、認定だのって関係ないのかもしれません。子供達が昆虫の家に来て、元気に駆け回る姿を見るのが、一番嬉しく思うのかもしれません。こんな、おっちゃん達、素敵だなと思います。子どもからお年寄りまでが触れ合い、人生の経験の伝播、自然と触れあい自然から何かを学ぶ、こんな活動を裏方として支え続けているのですから。

 何はともあれ、この国土交通省の「手作り郷土賞」のパンフレットを手にした忠津理事(言い出しっぺ)、若原事務局長、申請書を書いた藤吉の3人で、来週、認定証授与式に行ってくる予定です。

みなさま、ありがとう。

 
「日吉地区のお祭り」地域との関わりをなくしては、活動は継続できない

(続)

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