「藤吉 裕和の山の中から子ども達に向けて」


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「おっちゃん」と「山の中」をキーワードに、昆虫の家の紹介から設立のいきさつ、現在の活動をご紹介します。

作者紹介
藤吉 裕和
1973年4月26日、北海道常呂町産。地元の高校卒業後、家業の農業を後継しながら通信情報系フリーライターをする。その後、離農し網走のOA機器修理職を経て現在建設会社勤務。常呂町在住。

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■第25話

 あと数日で9月になります。猛暑を越えた酷暑の日々が懐かしく感じるほど、「秋」の気配が溢れています。広がりを見せつつ大きく高い秋の青空。ひんやりとした感覚の冷たい風。そして、秋の匂い。農家の皆さんは雨をおそれつつも急ピッチで収穫作業を始めています。そして、季節は流れていきます。

 北海道クラブさんから原稿を書いてくださいという依頼を受けてから25回目の原稿となりました。早いものです。10月21日で1周年。単発読み切り専門の私でしたが、同じテーマでここまで長く書けるんだなとちょっと驚いています。それよりなにより、不定期な原稿送信でも掲載していただける北海道クラブさんにも感謝です。もちろん、読んで下さっている方々にもたくさん感謝しています。

 さて、7月30日〜8月12日まで、ところ昆虫の家の年間最大行事、「子どもゆめ基金助成事業 いきいき2004オホーツク自然体験村」(助成関連の制約がありまして、事業名は正式名称で記載する事となっているので、略せないんですよ・・)が開催されていました。

いきいき2004開村式の様子

 参加した子ども達は、道内外と海外から合わせて26名でした。今年は若干男の子の数が多く、リピーター(過去にも参加歴有り)の子が1/3を占めていました。小学4年生から中学3年生まで。さて、この子ども達は2週間、携帯電話も通じない上にテレビもうつらない「ところ昆虫の家」で大学生やおじさんおばさん達と共同生活をします。ただの共同生活ではなくって、オホーツクの地域と季節を活かした様々な体験プログラムを展開する訳です。JAところの組合長さんの畑にお邪魔して、ジャガイモを掘ったり。ホタテ水揚げ日本一の常呂の漁師さんが船を出してくれて、ホタテ漁を目の前で見学したり、その場でホタテを生で食べたり。日本最大の結氷湖「サロマ湖」でカヌーを体験したり、オホーツク文化がある事がわかってきた常呂遺跡で竪穴式住居に泊まったり・・。もしかしたら、大人も楽しめるのでは?というプログラムを展開していました。

 スタッフ達からは「プログラムが過密すぎる」と言われるほどの盛りだくさんのプログラムです。それぞれの育ってきた環境が違う子ども達・大人達の共同生活ですから、プログラムよりも濃い色々な人間模様が展開されるのであります。子ども達同士のケンカは日常茶飯事。今年はなぜか?子ども達同士で恋の花がたくさん咲いたり。スタッフ達も子ども達に対する考え方の違いや意見の違いを互いにぶつけ合い、涙を流したり一緒に笑ったり。この2週間は、長いようで短い、そして人生の中でももっとも濃い時間であると感じつつ、終わりの日を迎えたのでした。

 私の担当しているホームページでも、その日の写真や出来事をなるべく翌日の朝までに掲載していました(体調不良で一部欠損していますが・・)。この写真を見て保護者の方をはじめとして昨年度参加した子ども達やスタッフ、今年も参加する予定だったけれども事情により来られなくなったスタッフ達が疑似参加をしていました。大まかな1日の流れしかわかりませんが、遠い土地に一人で送り出した子供を見守る事ができたのではないか、そのお手伝いとしてホームページが一翼の一部を担う事ができたのではないかと思っています(まだまだ不十分ですが...)。

 いろいろな人の思いが1つの事業に折り重なり、大きな事業が無事幕を閉じる事ができました。地域の方々の大きな声援、地域を問わない大きな協力で、無事に事業を終了できた事をこの場をお借りして感謝致します。

 ありがとう。

 次回から何回か、この「いきいき」で繰り広げられたちょっとした出来事を書けたらいいなって思っています。

14日間を終えたみんなの顔はいきいきと
(続)

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