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■第20話 あと5日で6月になります。今は常呂の漁師さん達がホタテの放流作業のまっただ中。サロマ湖で大切に育てたホタテの赤ちゃん貝(稚貝)を引き上げ、そしてオホーツクの海にまくという作業。農家の作物のまき付けと同じく、ホタテを育てるための大切な春のお仕事です。そして、豪快な漁師さん達は、私たちにも食用として稚貝をたくさんお裾分けしてくれます(本当はダメらしいのですが・・・)。
先日、たくさん手伝ってくれた北見工大の卒業生、イノッチから久方ぶりに電話がありました。大手舗装会社に就職し研修期間を終えてようやく配属が決まったそうです。その職場のコンピュータから久々に昆虫の家のホームページや、この原稿を読んだよという感想を伝えるものでした。電話が苦手な私なのですが、話し込むと長くなってしまうという悪い癖があります。懐かしかった、そんな思いがあったのかもしれません。
今まで、若い力というのはなかなか入ってこなかったという事もあるでしょう。網走管内で高校生や大学生がボランティアで昆虫の家に来るということはなかったように思います。短期間はあったようですが、2度目はなかったのです。
こんな若者達の、後継者を見つけなければダメだね。こんな話になります。でも、こんな若者達はもう昆虫の家のボランティアとしては現れないような気がしています。今まで多くの若者達に、ボランティアに参加してほしいという要請を出し続けています。でも、参加してくれる人はほとんどいませんでした。そう、みんながやりたがらないボランティアであることは間違いないようです。 ボランティアは、昆虫の家流で言えば「自己満足の世界」。自己満足で終わらすか、それよりちょっぴりだけ進めたものにするか、これはそれぞれの考え方次第だと思います。 人は、いろんな人とふれ合い、最初はぜんぜん相手にされなくっても、まだまだ仲良くなっていなくても、馬鹿なことを話したり、一緒に笑ったり、議論を交わしたり、納得したり。いろんなプロセスを経て、互いに影響しあうものではないかと思います。今の昆虫の家のおっちゃん達には、イノッチ達の若い者の影響が大なり小なり出ているような気がします。協力員の北見市の佐藤さんは、「はんかくさい奴らがいなくなったから、おもしろくないね」とも言います。 人間関係って不思議なものです。不思議だからこそ、大変だったりする面もあるでしょう。さて、ここで話題にした当人達は、どう思ってるんでしょうか。でも、多少は昆虫の家に生息する、生命力が強く(語気も強いが)、いろいろな人生経験をしているおっちゃん達の味が染みこんでいるような気がしています。この染みこんだ味に自分たちが気づいた時、きっといろんな辛いことでも乗り越えていけるのではないでしょうか。生命力が強くなっているのですから。 吉野の山の中、これからもどんな人間模様が展開されていくのでしょうか。素敵な出会いがたくさんあればいいな、と、思いを馳せるのでした。 |
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(続)
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