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作者紹介

名前 純子
生まれも育ちも北海道、十勝
現在十勝で家族で農業を経営しながら愛猫、自然(野草、野生動物)に接して暮らしています。
根はひょうきんなんですが恥ずかしがり屋。
自己主張はそんなに強くはないですが平和な地球を望んでやまない私です。
わりかしミーハーです。

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■第10話 カスミ網の話

バンディングについて
その3

 北海道のシンボルには鳥部門では特別天然記念物のタンチョウが指定されていて、十勝でも見ることができます。 一時は絶滅の危機にさえあいましたが少しずつその数を増やしているようです。
全長140cm体重10kg前後で国産鳥類では最も大形の鳥です。

タンチョウ

 また十勝では日本最小の野鳥も見られます。
体長10cm、体重4g〜6gほど。頭のてっぺんが鮮かな黄色で、 菊の花びらが貼りついているようなその鳥の名はキクイタダキです。
20年くらい前からその鳥の名は知っていましたがまさか我が家のまわりで
生活していたなんて知りませんでした。

キクイタダキ、メス

 初めて出会った時は頭頂部を見ただけで「ピン!」と来ました。「あっ、キクイタダキだ!」って。
か細く甲高い声でカラマツの木や枝の何かを食べているようでした。
あんなちっちゃい体でマイナス30度にもなる厳しい自然の中で暮らしている姿を見るととてもいとおしい気持ちになります。

キクイタダキ、オス
 ここで先回のお話の続きです。
こんな小さなキクイタダキでさえも、標識調査で足環がつけられています。
30年間で膨大な数に標識され、再捕獲はたった1例だけ、しかも標識作業から2日しか経っていなくて、 あとの足環をつけられたキクイタダキたちは発見されもせず、どうなっちゃったんでしょう。
4グラムの体重に0.04グラムの足環って、 体重50kgの人なら片足に500ミリリットル・ペットボトルをつけられたようなもの、さぞ重かったでしょうね。

 小鳥の死亡原因は気象要因、エサ不足、事故など色々あるそうです。
最近知った納得いかない鳥のストレスにカスミ網があり、死亡原因にもなりそうです。 鳥類標識調査において野鳥の捕獲のためにカスミ網が使用されますが 現在の日本では、通常は、使用どころか所持するだけで違法なのです。
それだけ無差別にたくさんの鳥が捕まってしまい鳥の保護繁殖に対して重大な影響があるため、 厳重に禁止されているのです。
ただし、「調査」という目的に限って、標識調査をおこなう許可を持つ人(鳥類標識調査員、バンダーと言います) バンダーは、特別にカスミ網の所持と使用を認められているそうです。


 私はカスミ網を実際に見た事はありませんが昔、田んぼに張られたカスミ網を見たことがある
友人の話によるととても残酷でたまらない気持ちになったそうです。


デザインななさん


そんな特別に所持と使用を許されたカスミ網は小鳥達にはとても怖い存在のよう です。

●かすみ網にかかった時の負担---網にかかると、逃れようと本能的に暴れます。これによって体力を消耗します。もし網地に絡まると体や首、翼、脚が絞められたり大事な羽毛が抜け落ちたり、 骨折、ショック死などもあるようです。

●かすみ網にかかったままで放置される負担---網にかかってもすぐには外してもらえません。 少なくないストレスがかかります。直射日光が当たったり風があったりしたら、 体力の消耗も急激に進むでしょう。

●かすみ網から外される時の負担---網から外される時=人間に触られる時です。 少なくないストレスがかかります。すぐに外れないときは、さらに大きなストレスがかかります。

この後、小鳥達は調査のために足輪をつけられて放されるわけですが
その調査はさまざまな疑問点を知ることができます↓

小鳥達の受難、わかっていただけたでしょうか?

カスミ網「合法的かつ適切に行われた調査の画像です」
(続)



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