■地方記者日記119
ようやく終わった |
| by大谷地恋太郎 |
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統一地方選がようやく終わった。
県議選や知事選、市長選に市議選、町村長選に町議選、村議選とよくもまあ、こんな大量の選挙が全国各地で行われたと、今でも思う。
一方では激戦となる市長選がある一方で、なり手がなく、無投票で当選する村議も多いから、地域によって政治家に対する考えが違うのだろう。
前回も書いたが、新聞社にとって選挙は大量の事務作業との闘いである。事前に立候補予定者を調べ上げ、そして次々と候補者の氏名や年齢、住所、電話番号、党派別推薦の有無、所属政党、過去の履歴、出身校、家族構成など、新聞には一部しか出さない情報を調べて、コンピューターに入力していくのだ。そしてそのデータが真実なのかも点検していく。学校に問い合わせをするのはもちろんのこと、勤めていたという会社にまで確認していく。最近は個人データ保護のため、問い合わせに応じない学校や企業も多く、過去の履歴が正しいのか分からないケースも多い。
こうして入力していったデータは、選挙告示日に一斉に出して、紙面となっていく。これが事務作業の膨大たるゆえんだ。
選挙は、民主主義の現代の戦争だ。
立候補者にとっては、勝つか負けるかしかない。
地域をまめに回り続けて、顔と名前を覚えてもらい、投票を依頼する。夕方開くミニ集会に、支援者がどのくらい集まっているか。これも当落を判定する大切な情報になっていく。
選挙カーに乗って町の中を遊説するにも、どのくらいの人が、選挙カーに手を振っているのか。これも反応を調べるための大切なデータとなっていく。
だから、新聞社の仕事は、きりがない。いろいろなデータや情報を総合して、当選予定者を想定していく。
最後には、投開票日の予定稿づくり、という作業が待っている。
これは、候補者の当落が決まるのは、開票から二時間から三時間だから、深夜になる。
深夜になってから原稿を書き始めるのでは、締め切りに間に合わない。
そのため、想定できる当落の原稿をあらかじめ作っておくのだ。
これを予定稿、と業界では呼んでいる。
A、B、Cの三人の人間が市長選に出たとする。
その場合、想定できるのは、三種類のパターンと一つの種類の原稿だ。
つまり、Aが当選して、B、Cの二人が落ちたとする原稿が一つ。
Bが当選して、A、Cの二人が落ちたとする原稿がもう一つ。
そしてCが当選して、A、Bの二人が落選したというケースの原稿がもう一つ。
この三本の原稿のほかに、深夜まで当落が分からないまま、新聞の締め切り時間が過ぎた場合を想定して、「深夜まで開票作業が続く」という趣旨の原稿も必要だ。
つまり市長選に三人が出ると、四本の予定稿が必要になる。
四人だったら、もっと複雑で、落選の順を記した予定稿も必要になってくるので、一つの市長選に、何本もの予定稿を準備しなくてはならないのだ。
そして予定稿は、すべて同じ行数にしなくてはならない。
開票作業終了直前になって、当選者が逆転することもあり、その場合、急遽、予定稿を差し替えないとならない。同じ行数でないと、入らないためだ。
統一地方選は、その意味で、調査票の回収作業と、その入力、そして予定稿づくりの膨大さにおいて、くたくたとなる仕事だった。
しばらくはのんびりしたいと思う。
しかし今年の夏は、参院選もあるし、しばらくは選挙イヤーの状況が続く。
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(続き)
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