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作者紹介
kage
1973年札幌生れ。
キャンプとMacintoshと酒をこよなく愛す。シンプルでCOOLなキャンプを現在目指している。
もっぱらキャンプはファミリーキャンプだが、道具はファミリーぽくないかも・・・・


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 ■第1話 和琴のキャンプ

道東に引越してきてから、あちらこちらのキャンプ場へ足を運んだ。なかでも屈斜路湖にある「和琴半島湖畔キャンプ場」には、大切な恋人にでも会いに行くかのように惹かれ足を運んでいる。
 その理由を自分なりに考えてみると、野田知佑の「日本の川を旅する」を読んだ時に、冒頭「釧路川」の一番初めて出てくるキャンプ場で、無料の露天風呂と釧路川の美しい道東の風景に強い憧れを抱いたからではないかと思っている。
 そして6月の某日。また恋人と出会う為、屈斜路の和琴に車を走らせた。
 兼ねてから友人と一緒にキャンプをする約束をしていたが、その友人が急遽来られなくなったというので、家族だけでのキャンプになったのだった。

 和琴に到着してみるとテントはまばらだった。時より強く吹く湖からの風は気にはなるが、こんなに人が少ないキャンプを満喫できるのはとても嬉しい。
 人が少ないキャンプ場ほどのんびりできるキャンプはない。
 いつものように小さいテントをはり、自分のスペースを作り上げる。そして、焚火台に火を入れて夕食の準備をする。娘2人は相変わらず風の強い中遊んでいる。風は中々止まないが、焚火の炎を眺めながらウイスキーを飲み、そして静かにボブ・ディランの「風に吹かれて」をハーモニカで吹いた。
 
 そして日がくれ、子供達とテントに入り眠った。夜中トイレの為目を覚まし、空を見上げる。無数の星が瞬いている。暫くその星をながめていた。 朝、昨日の風は嘘のように止んでいた。いつもの静かな湖がそこにはあった。
そして日が昇ると、いつ来ても変わらない風景がそこにはあった。
 湖・山・そして空。何度来てもいい場所だ。
 またこの恋人に会いにこよう!何度でも・・・そしてまたこの風景を眺めながら酒を飲もう。そんな和琴のキャンプだった。
(続)

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