サコロペ(英雄の物語り)を謡う
『アイヌ風俗絵巻』
アイヌ民族は元来文字をもちま
せんでしたので、物語や伝説、
体験談や人生の教訓などの全て
を口承によって語り継いできま
した。




意味深く美しい独特のデザイン

 ユカラ(英雄叙事詩)、カムイユカラ(神々の物語)、ウエペケレ(昔話)などのアイヌ口承文芸の伝統は、今も古老から継承者へ語り続けられています。アイヌ語は北海道の地名に数多くみられ、意外なほどみなさんがふだん耳にしている言葉です。札幌という地名もアイヌ語の由来があり、サッ・ポロ・ペッ「乾く・大きな・川」あるいはサリ・ポロ・ペッ「その葦原が・大きな・川」という意を持つそうです。
 
 アイヌ民族は古来から固有の文字を持ちませんでした。なぜ文字を使わなかったか。どの民族でも、文字文学というものが発展する前は、広範囲に渡る命令の伝達、租税や、貢物などが納められたものの記録、そしてその国家や、支配者一族の歴史の記録などが、一般的な文字の使用法だったと思われます。アイヌ民族は、統一国家というようなものを作らないまま現在に至っており、文字を使うことを迫られるような状況に、今まで置かれたことがなかったということができるでしょう。アイヌの人々は、物語や伝説、 体験談や人生の教訓などの全てを口承によって語り継い
できたのです。

 アイヌのおじいさんやおばあさんに話を聞くと、その物覚えのいいことに驚かされます。それは忘れてしまったら二度と取り戻せないという気持ちで、いつでも物事に接してきたからです。今の情報社会では、多くの情報を活字で知る事ができますが、「語り継ぐ」という事の大切さを考えさせられます。アイヌ人の人々は文字を持たずとも、頭の中に全てをとどめておき、歴史や文化を子孫に語り継いできたのです。

『アイヌ民族博物館』  
 

白老町のアイヌ民族博物館では、アイヌの歴史と文化にふれることができます。コタンの解説やアイヌ古式舞踊、手工芸の実演などが公開されており、アイヌ文様刺繍や彫刻、丸木舟試乗などの体験学習もできてお楽しみがいっぱいですよ。

アイヌ民族博物館
白老郡白老町若草町2-3-4(TEL 0144-82-3914)

 

 

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