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作者紹介
 
鈴木敏章
1949年生まれ。1971-2年ヨーロッパ、北アフリカアジア放浪、1974-76年ヘルシンキ大学留学。以降、フィンランドと関わって30年、年数回足を運ぶ。現在、設計事務所(株)ビタレスクを主宰すると共にフィンランドから木製窓、ドア、ログハウス、サウナ等を直輸入販売する。

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フィンランドのクリスマス

 今年のヘルシンキは札幌と同じく12月に入ってもいまだ雪化粧をしていない。午後3時には日没をむかえ暗く長い夜を一層寒々しくさせている。

デパートのウィンドウ

 でも、もうすぐクリスマス。町の目抜き通りはイルミネーションで飾られ、デパートのショウウィンドゥは、子供たちのためにサンタの飾り付けがなされている。港の朝市では、モミの木が売られていて、各家庭もクリスマスの準備たけなわ。サンタクロースで有名な国フィンランド。サンタクロース村のあるヘルシンキから北へ700Kmのロバニエミ市は国内外の観光客でにぎわい始めている。現在は飛行を停止してしまったが、イギリスから超音速旅客機コンコルドで、日帰りツアーがつい数年前まで行われていたくらい国際的な村なのである。政府公認のサンタクロースは世界を飛び回り、今日本へも1人が出張中でデパート等を廻っている。

サンタクロース村

 フィンランドのサンタクロース、フィンランド語では、ヨウルプッキというが、彼は普段、村から北東へ220kmのコルバトゥントゥリという山、海抜483メートルに住んでいると言われている。トントゥという妖精の助手を従えて、クリスマスに世界中の良い子への贈り物をするために準備をしているのである。フィンランドの子供はサンタの存在を疑わない。なぜなら、イギリスのように夜中に煙突から入ってくるのではなく、子供が起きている夜に、玄関からいっぱいのプレゼントを持って現れるのである。子供一人ひとりにプレゼントを渡し、さらに家族全員へプレゼントを渡すのである。

朝市の モミの木

これは、一年がかりで、各人がクリスマスに向けて準備した品物をサンタさんを介してこの時に渡すという習慣。子供から親へ、あるいは兄弟へ感謝の気持ちを伝えるのである。クリスマスのフィンランドは、日本のお正月ににている。各人が帰省するので、交通機関は込み合い、列車等は早めに運行を止める。故郷で、ゆっくり時を過ごし、クリスマスミサに出かけたり、墓参りに出かけたりする。銀世界の静かな墓地に無数に揺れるローソクの灯は、とてもおごそかで美しい。
家庭では、お節料理のような、クリスマスの時のための料理が食卓に並び静かにフィンランドのクリスマスの夜は更けていく。

町のイルミネーション

 

(続)  



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