クルセイダーの「北海道HOBBY BOX」


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作者紹介
クルセイダー
1974年生まれ。生まれも育ちも札幌。釣り人の定説通り(?)小学生の時、フナを釣ったのが釣り人生の始まり。
 2002年より本格的にルアー釣りを始め、現在に至る。

 

■第9話 「水中写真」

 

一目惚れをしてデジカメを買った。
雑誌の広告に載っていた宣伝文句に、「水深1.5メートルに30分までOK」とある。発売して間もないカメラを持って、雪解け遅い渓流へ向かった。水温は10℃以下だが魚の反応は悪くない。しかも良型が連続する。冷たい水にカメラごと手を入れて撮影を開始した。
なかなか狙ったアングルで撮影できずに苦労して気が付くと手がじんじん痛む。それでも、できあがった写真を見たら手の痛みなんて忘れてしまった。今年はこのカメラを手放せそうにない。

この日も、中学生からの釣り友達を川へ案内した。しばらく本州で仕事をしていた友人で、北海道でルアーをするのは初めてといっていい。しきりに「こんな川があるなんて・・・。」と驚いていた。
何匹かのイワナや、ブラウンを釣った後、大場所にたどり着いた。ササかぶりの深みだ。春先の増水で、水量はあるものの濁りはササ濁り程度だ。慎重に上流へ回り込みミノーを流し込んだ。奥のぶっつけまで届いたので、慎重にリールを巻き始める。ササの下にミノーが差し掛かった時、重いアタリが手元に伝わってきた。反射的に強めのアワセを入れる。水中で鈍くギラリと光ったかと思うと反転し、一気に流れに乗りぐんぐん下流へ走っていく。悲鳴を上げるスプールを手で押さえながらドラグを締め直して腰を低くした。ネットを持っている友人とは距離があったため、ファイトしながら友人を呼ぶと、ネットを持ってすっ飛んできた。ウルトラライトのショートロッドなので、無理はできないが友人のネットがあるので時間をかけて浅瀬まで誘導した。さすがに古くからの相棒、一発でランディングを決めた。釣った本人よりも、ネットインした友人の方が興奮気味だ。
釣り上げたのは42センチのブラウントラウト。精悍な顔つきのすごいやつだった。



(続)

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