クルセイダーの「北海道HOBBY BOX」


バックナンバー



作者紹介
クルセイダー
1974年生まれ。生まれも育ちも札幌。釣り人の定説通り(?)小学生の時、フナを釣ったのが釣り人生の始まり。
 2002年より本格的にルアー釣りを始め、現在に至る。

 

■第11話 「渇水」

 

一般的に7月、8月は渇水・高水温に悩まされる。同時に釣り人の数も増えるので、魚はスレて釣ることが難しくなる。
春先にブラウンを釣った川も、釣り人の踏み跡が多くなり、反比例して魚の反応が減った。
こんな時私は上流の涼しい渓流をめざす。この川は奥深くまだ全部踏破できていないが、ポイントの目安はだいぶ付いてきた。
砂利の林道を1時間程走って上流部に着いた。天気が良くすでに太陽は高い場所にあるが、水温は12℃と低く空気も涼しい。
よく夏休みは海派と、山派に分かれるが私は山派に違いない。
平日ということもあり、私と友人以外に釣り人はなく期待が高まる。今回は初めての区間に入るので、林道の小さな橋を起点にして川へ下りた。

何回か川が二股の分かれるようなので、一旦釣り上がってから下流へ下るという変則的な釣り方になる所もあった。
いきなり最初のポイントから31センチのイワナが飛び出してきた。魚の反応を見る限り、先行者は全くないようだ。
ポイントを深みや倒木下に絞り込んで探ってみると、尺近いイワナがぽんぽんと出てくる。友人も私も反応の良さに正直驚いた。
最初の区間を終えて車で昼食をとった。この時期、車内は高温になるので食べ物は置いておかない方がいいだろう。
私はクーラーを利用して食事や飲み物を保存している。もし、氷を入れるなら板氷が一番。普通のロックで使う氷は案外早く溶けてしまう。
昼食を食べ終わる時に、「この前、良い思いをしたポイントがあるから行ってみるべ。」と友人に勧められ、車を下流へ走らせた。
午前の釣果に満足していたので、少しのんびりした気分で釣り下っていくとちょっとした深みがあった。なかなか水通しが良さそうだ。
やっぱり魚がいた。ん?いつもと様子が違う。手元近くまで寄せてきてからイワナやアメマスでないことに気付く。「ヤマメだ。」
しばらくヤマメを狙っていなかったことと、この川にはヤマメが少ないこともあり、慎重にランディングした。
腹がパンパンになった25センチのオス。思いがけない魚に驚きと喜びを覚えた。

(続)

| 会員規約 | 免責と注意事項 | 著作権とリンク | 広告募集 | お問合せフォーム | ホームページ製作|
Copyright(C) 2002 Hokkaido-club.com All rights reserved.