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撮影者紹介

ぱぴるす

1967年生まれ。北海道大学馬術部OB。平成2年福岡国体総合馬術7位入賞。人と馬のコミュニケーションをテーマに乗馬を続け、今日に至る。最近は馬の長距離騎乗競技(エンデュランス)にも出場、全日本大会(鹿追町)で100kmを完走している。
自宅は札幌にあるが、現在仕事の都合で熊本県在住。北海道で自分の牧場を持つという夢に向かって、現在着々と準備中。


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○Seat4

 馬に本格的に乗り始めたのは19歳の春。大学に合格してから何かスポーツをしようと考えていたとき、友人の女の子に誘われて(ちょっと軽いか?)、何の気なしに馬術部を訪れたのがきっかけだった。馬のことなんて何も知らなかった。まぁ体験で跨ってみるのもいいか…って感じだった。とにかく馬に関してはズブの素人だった。
 当時、馬術部の厩舎は教養部の北18条門の北側、重要文化財であるモデルバーンの東となりにあった。現在は環状通りのエルムトンネルができて馬術部も北24条に移転したが、当時の北18条通りは両側にポプラの木が並び、街の中にあってとても牧歌的な雰囲気があるところだった。
 厩舎に入って一番に気づいたのは、あの独特の匂いだ。はじめて嗅ぐ匂いは、やはり「クサイ」の一言。抵抗はなかったが、やはり気になる匂いだった。
 夕方に訪れた厩舎は、馬はみな馬房に入って夕食の最中で、直接馬に触れることはできなかった。
「じゃあ、朝5時に来てくださいね」「朝5時??」
 結局、昼間は大学があるから皆が集まれる時間は朝しかなく、それで朝5時に集合して練習をしているとのことだった。
 翌日は4時半起き。5時に厩舎に行ったら、馬たちが全部外に並んでいて厩舎では馬房の掃除が行われていた。
「じゃあ、今日はあの馬について」と1頭の馬を指差して言われ、その馬に恐る恐る馬に近づいた。
「初めての馬に近づき時は、まずそっと首をポンポンと叩いてやるんだよ。よしよしって感じで。馬は首をなでられると誉められていると認識するから。」
 先輩の言葉にうながされてそっと手を馬の首に当てた。「よろしく」
 物心がついてから初めて馬に触れた瞬間だった。とても温かかった。けど、馬は何の反応もなく、ただじっとしていた。犬は、なでてやると嬉しい印に尻尾を振って喜ぶが、馬は何の反応も無かった。どう考えているのか、とても不思議だった。
 馬は人を馬鹿にすると言われるが、ひょっとして馬鹿にされてて相手にされていない?そうかもしれない。初めて触ったんだし馬鹿にされて当たり前。だったら馬に信頼されるように頑張ってみようか。バカにされっぱなしじゃ癪にさわったのもある。
 ズブの素人が、馬の世界にハマった第一歩だった。


(続)



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