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作者紹介
SHIMA
1960年、北海道生まれ。スズメの声で目を覚まし、雪上の野ウサギの跡を追いかけていたていた少年が、就職後に町中に住み、動物を見たいと双眼鏡を手にたのがきっかけで、不思議な野鳥にのめり込んでいく。

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 ■第14話

 人間の世界にも「ジューンブライト」という言葉がありますが、5月にはいると野鳥の世界は「求愛」の季節になります。
 千歳市でも4月頃から様々な種類の野鳥がさえずりを始め、カップルになったと思われる仲むつまじい野鳥が見られ、先日もニュウナイスズメがカーブミラーでじゃれ合っていました。求愛の方法は、カワセミなどのように餌をメスに与えるもの、タンチョウやハクチョウのようにダンスで気を引くもの、ウグイスやアオジのようにきれいな声で愛を語るもの、いろいろですが、共通しているのは、オスがきれいな声で鳴き、鮮やかな色の羽に変わることです。なぜ、メスではなくオスが美声になり、着飾るのでしょう?

遊んでいるニュウナイスズメ

 この季節は、バードウオッチングをするには都合の良い季節です。それは野鳥が木の上の目立つところで鳴き、目立つ羽の色になるからで、見る人間の側からすると「見てください」とアピールされているかのようだからです。でも、メスにアピールするため、人間の目にも見やすいと言うことは、小鳥を餌としているタカなどの猛禽類や他の動物たちも見つけやすいのではないでしょうか。
 卵を産み、育てるメスにそのリスクを負わせず、オスが一手に引き受けているかのようで、「求愛」はまさに「必死」の覚悟です(さて、人間のオスは?)

求愛するオオハクチョウ

 この時期、歩いている目の前から逃げずに鳴く野鳥を見る機会も増えますが、こちらにサービスしているかのように思えるかもしれませんが、野鳥は人間という外敵から家族を守ろうと、必死に鳴いているのかもしれません。
 そんな行動に敬意を払いながら見せてもらうと、また違って目で見られるのかもしれませんね。

きれいな声でさえずるアオジ
(続)

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